
日増しに暑さが酷くなる今日この頃。避暑地はとにかく貴重です。プールに海、デパートの中、涼しい所に自ずと足が向かうもの。
涼しさを求めて、怪談話が盛んになるのもまた、暑い夏夜のお楽しみです。
近くに海は無いけど、心霊スポットなら有るって方も多いはず。日本各地にご当地ネタがあるのも、心霊話のある種の強味。
しかしながら、その中には面白半分で近づくと、本当に危険な場所が存在します。涼しさを求めるつもりが、永遠に冷たくなって帰ってくるなんて有り得ないですよね。
全国には危険な曰くつきの場所が確かに存在しています。今回私の地元兵庫県で、西宮市のとあるスポットを紹介します。
道路の中央に鎮座する謎の岩

山手幹線「寿町北」交差点から、県道82号線(大沢西宮線)を北へ15分、また国道2号「神楽町」交差点から県道82号線を車で北へ約15分進みます。
道なりに進むと、突如目の前に車道の真ん中に通行を遮る大きな岩が現れます。
岩は真っ二つに割れており、二つ並んだ姿が夫婦が寄り添うように見える形をしているため、”夫婦岩”と言われています。
この岩から車線が左右に分断されるのですが、非常に邪魔な位置にあるため、車を運転していると、道路のいびつさに相当な違和感を覚えます。
この岩はもともと随分前から、鷹林寺町(地名)にあったもので、六甲山系の自然の産物です。
しかし時代の進化に従い周囲の都市開発が進む傍らで、何故かこの邪魔な岩だけはいつも取り残されてきました。
この奇妙な状況の背後にある、恐ろしい理由について説明していきます。
道路を作る際にも岩は残された

この岩は高さ約2.5m、幅約5mと巨大であり、明らかに交通の障害となっています。
周囲を見て解る通り、ここは完全に車道です。道路標識が岩を避けるように指示しており、一目で異常さが伝わるでしょう。
遡ること昭和13年、阪神間は阪神大水害に見舞われました。六甲山系から流れ出た大量の水が、阪神間の市街地を浸水させ、家屋を押し流す大惨事となりました。
災害後、県道拡張工事が行われますが、工事の障害となるこの岩の撤去は依然大きな問題でした。
そこで西宮市は災害復興を契機として、悲願であった岩の撤去作業に、本格的に行政として介入し始めたのです。
ただ、この工事には一つの懸念がありました。この地に古来より伝わる伝承が有ったためです。
“この岩を動かそうとする者には、必ず祟りが訪れる。”
古来より岩の撤去に携わった者が変死する事例が報告されてきたからです。
代々この事実を口伝えに知っていた地元の人々は、決して岩の撤去は行いませんでした。
そうした事情とは裏腹に、西宮市による工事は実行されることになりました。
関係者の不可解な変死

西宮市は県道拡張のため、岩の爆破に踏み切ります。工事業者を介して本格的な撤去に取り掛かろうとしました。
そんな中、爆破を翌日に控えた前日に異変が起こります。実際の爆破を担当するはずだった工事主任が急死を遂げたのです。
あまりに突然の出来事に、工事は中断を余儀なくされました。
そして数年が経ち、再度同じ計画が浮上しました。この岩の爆破を引き受けたいと申し出る、迷信など意に介さない強気の業者が現れた為です。
西宮市もこれを快諾し、前回と同じ順序で岩を爆破をすることを決定しました。今回こそ間違いないと、誰もがそう思っていました。
しかし、悲劇は起こりました。それも全く同じ内容で。この新しい業者の工事主任も工事の前日に急死したのです。
また爆破作業の準備のため、岩の割れ目に入った別の工事関係者の一人も8日後に亡くなり、同じ業務についた関係者の一人も同年の暮れに亡くなったそうです。
その後も岩の撤去計画は度々議論されましたが、兵庫県西宮土木事務所は、「真相ははっきりしないものの、ないがしろにできない」と、岩を避けて道路を整備する異例の対応を決めたのです。
これまで工事に携わった関係者の総勢42名が、何らかの不幸に見舞われたり死亡したとの報告があります。
立て続けに起きる事故

怪現象が相次いだことから、テレビの心霊特集などでも紹介され、この岩の存在は全国に知れ渡ります。
この岩の噂を聞き、とある地方の若者4人がバイクで岩の場所を訪れました。
怖いもの見たさにこうした場所に近寄りたがるのは若者の常です。
ただ、あろうことか彼等は岩の上に登って記念撮影をしたり、割れ目に入ったりと、どこか挑発的な遊びを繰り返したのです。
その日からほどなくして、一人がバイク事故で重体。もう一人が3年後にバイク事故で死亡。残された二人の内の一人が数年後に謎の死を遂げたそうです。
岩の不自然な立地に気を取られるせいか、ハンドルを誤って事故を起こす事例もこの場所には多く報告されています。
実際にその場所にあるはずの岩が見えなくなり、ハンドル操作を誤った。など、事故を起こした人間の証言が不可解な事故も起きています。
地元の人達の間では、
”走行時に岩を振り返ると事故に遭う。”
と昔から言われているそうで、車で移動する際には速やかにこの場所は通り過ぎるようです。
夫婦岩に伝わる怖い心霊伝承

この場所付近では得体のしれない心霊現象も数多く報告されています。
全国でいわくつきの場所にはこうした話がついて回るものですが、この地も例外ではなく、理屈に合わない現象が報告されています。
- 岩の前に佇む人
- 赤子を抱えた女
- 牛女
いずれも複数の目撃例があるようで、心霊スポットの一つとして各種サイトにも紹介されています。
岩の前に佇む人
ここは岩を避けるように左右に拡幅された道路が次の信号に向かって合流しながら続いています。
いびつな道路形状のため、通り過ぎる以外に用は無く、人が憩う場所がある訳でもありません。途中で車を止める場所もない場所です。
しかし、深夜の遅い時間帯に、岩の前で整然と佇む古い軍服を着た男の姿が目撃されています。
また、別の証言では、赤子を抱いた女性が岩の前でひっそりと佇む姿も度々報告されています。
こんな場所に何の用があり、そんな時間に誰を待っていたのでしょうか…
牛女
岩付近の道路で道に迷っている女性がいることがあると言われています。
近付いて声を掛けると、その女の顔は牛そのものであり、後ろから追尾してくると言われています。
因果関係は不明ですが、戦前この辺りには牛の屠殺場がありましたが、戦時中に空襲で焼失しました。
そこの建屋の一角にある座敷牢に、精神のおかしくなった娘が隔離されていた事実があるようです。
牛女の存在はこの手の界隈で全国的に有名になっており、岩の怖さを伝えるため、親が子供に口伝で伝える風習が今も続いています。
地元のお寺である鷹林寺には、牛女の情報提供を求める人達が実際に多く訪れています。
日本昔ばなし

一昔前に日本テレビ系で放映されていた番組です。誰しも一度は観たことがある、全国の怪談・奇談を集めたお馴染みの番組です。
番組のテーマにこの岩の話が取り上げられたことがあります。
話の趣旨は恐怖話とは少し内容が違ったようですが、岩を神秘の対象として描いています。
かつて鷹林寺周辺の村同士で、水不足による農業用水の小競り合いがあり、それを見かねた天狗が現れて村人達に水の分配について仲裁を行ったという話が語られています。
その時天狗が舞い降り、仲裁を行ったのがこの岩の上だったようで、村人にご利益のある重要な啓示に紐づけて、岩の存在を神秘化しています。
話の中には”鷹林寺の村”と、現在も変わらない地名もはっきりと登場します。
古来よりこの場所が畏怖の対象であったとことが窺えます。
まとめ

謎めいた話に惹かれ、肝試しをしたいと思うのは、真夏の純粋な子供心というもの。
ただ、楽しさの傍らで自らの命を天秤にかけている事実も実際に有るようです。
今回ご紹介した事例は現実に起こった話として、当時のメディアに投稿されたものですが、あくまでも一部です。
地元の住民でこの岩を知らない人は居ません。子供から老人まで心のどこか距離を保ちながら生活をしています。決して迂闊に近付きません。
噂を聞いて訪れたくなる気持ちは解りますが、現在も事故、不可解な現象が相次いでいる事実を知っておきましょう。
昼夜問わず、面白半分で近付くのは避けてください。
勢いに任せた見返りの無い経験など、初めから求めないのが懸命です。正しい知恵を持ちましょう。
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